鋳造加工の特徴と材料
1.鋳造の特徴
金属の加工方法とその特徴(表1)
加工法 | 概略 | 特徴 |
切削加工 | 切削工具類を用いて、素材を切ったり削ったりして成形する。 |
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プレス加工 | 対になった金型の間に挟んだ素材に強い力を加えることで成形する。 |
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溶接加工 | 2つ以上の部材に、熱や力を加えて溶融・一体化させて成形する。 |
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粉末冶金 | 金属粉末を金型に入れて、圧縮成形し、溶融点以下の温度で加熱焼結して成形する。 |
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鍛造加工 | 素材に打撃・加圧等の機械的な力を加えて成形する。 |
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鋳造加工 | 溶解した金属を型に注入して、冷却・凝固させて成形する。 |
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鋳造加工は、融点より高い温度で溶かした金属を、作りたい形と同じ形の空洞部を持つ型に流し込み、冷やして固める加工方法です。この型を鋳型と呼び、砂を固めた砂型、金属を加工した金型、石こうを固めた石こう型などの種類があります。また、鋳造によって作られた製品を、鋳物(いもの)といいます。
金属を成形するという点で、鋳造加工と鍛造加工はよく比較されます。鍛造加工で作られた製品は、塑性変形により素材の鋳造組織が破壊され、メタルフロー(金属粒子が整列した状態)が形成されます。組織が緻密で内部欠陥がなく、鋳物よりも高い強度が得られます。しかし、加工工数が多いため、鋳物と比べてコストが高く、複雑な形状の成形も困難です。
一方、鋳造の最大の特徴は、溶融金属を用いるため、形状の自由度が高いことです。複雑な形状の製品でも、容易に成形可能です。また、溶融可能なあらゆる金属に適用でき、型さえ作ることができれば、どんなに大きな鋳物も成形できます。
大量生産も特徴の一つです。型の種類によっては、1つの鋳型で数万個の鋳物の生産が可能です。
鋳造の欠点は、溶融金属が冷えて固まることです。体積が収縮して鋳型内部に空洞ができたり、型に溶融金属を流し込む前に固まったりすると、欠陥品が発生する恐れがあります。そのため、製品に欠陥がないか、品質管理を徹底する必要があります。
鋳造加工と鍛造加工の比較
鋳造加工 | 鍛造加工 | |
切削加工 | 金属を金型に流して形成 | プレスで圧力をかけて形成 |
コスト | ◯ | △ |
生産能力 | ◯ | △ |
強度 | △ | ◯ |
複雑な形状 | ◯ | × |
加工時間 | △ | ◯ |
材料のロス | ◯ | ◯ |
寸法精度 | △ | ◯ |
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「2. 鋳物の材料と用途」
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