産業機器部品の難題(設計と調達のジレンマ)を、寄り添いながら実現させる。産業機器部品の難題(設計と調達のジレンマ)を、寄り添いながら実現させる。MC、旋盤、レーザー、溶接

鋳物の種類

2022年7月27日

鋳造の種類

 特徴特徴
フルモールド鋳造発泡スチロールで製作した型を砂のなかに埋め込み、そこに溶湯(液体状の金属)を流し入れて鋳物をつくる工法。溶湯の熱によって、発泡スチロールが気化し、溶湯と置き換えられて鋳物ができる仕組み。
  • 鋳型の分割・合わせなどの作業工程がないため短期間での製作が可能。
  • 鋳型合わせがないためバリ(溶湯が流れ出てできる突出物)の発生がなく、仕上がりの加工が簡単。
  • 砂に混在物がないため、簡単な砂処理装置を使えるため低コストでできる。
生型鋳造法生土を使って模型をつくる工法。珪砂・粘土(ベントナイト)・水・離型剤などを混ぜていく。部品などの大量生産の工場で使われている。
  • 型から鋳物が簡単に取り出せる。
  • 低コストで製作でき有毒ガスが発生しない。
  • 砂を繰返し使うことができる。
Vプロセス水・粘結剤などの添加剤を含まない珪砂と薄いプラスチックフィルムでつくる工法。砂型内を真空状態にするだけで強度の高い鋳物ができます。
  • 型をつくる際に騒音・振動を抑えられる。
  • ガス発生が少なく、 環境面での害が緩和される。
  • 砂に混在物がないため、簡単砂処理装置で再利用が可能。
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遠心鋳造法遠心力を利用して中子(なかご)なしで円筒状の鋳物を製造する方法。横型と縦型の2つの方式があり、長い管には横型、短い場合には縦型が用いられる。
  • 中子を使わずに鋳物が製作できる。
  • 木型を必要としないのでコストが抑えられる。
  • 砂型鋳造品に比べ、成分組織が緻密で均一になる。
  • ガスが抜けるため、砂型鋳造よりも鋳巣(内部にできる空洞)ができにくい。
砂型鋳造法金属を溶かして液体状(溶湯)にし、砂で作った型に流し込んで作る製造法。流し込むことによって製作するので、自由曲線の多い製品に向いています。砂型鋳造は、1個あたりの製品費用は高くなるものの、金型に比べて型費はかからないため、大量生産の製品よりも試作品や小ロット生産品に適しています。
  • 大きな鋳造物が成形できる。
  • 型作成のコストが金型に比べて安い。
  • 準備期間が短時間で済む。
  • 大量生産の製品には適さない
石膏鋳造法金型を使わない鋳造法の1つです。石膏で型を作り鋳造します。自由度の高い形状や優れた鋳肌の仕上がりになるのはもちろん、金型が不要なためコスト面も抑えられます。大量生産には不向きですが、試作品・単品から小ロットの製作が最適領域です。
      • 金型不要で精密鋳造を実現できる。
      • 小ロット製品の製作に最適である。
      • 短期間・短納期で鋳造品を製作できる。
      • 大量生産の製品には適さない。
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耐熱シリコン型鋳造法

ケイ素を元につくられた人工化合物であるシリコン型を作ってその中にマテリアル(原材料)を流し込むことによって製品を成型する方法です。主に低融点合金の鋳造に用いられます。また、シリコン型はコピー能力に優れているため、量産を目的とした特殊耐熱シリコンも開発されています。

      • 低融点合金の鋳造に適している。
      • 大量生産に優れている。
      • 耐熱性が高く、250度の熱にも耐えられる。
精密鋳造法

精密鋳造とは鋳型として金型を使用せず、砂型鋳造法などの普通鋳造法よりも格段に高い寸法精度と美しい鋳肌の製品が作れる鋳造法です。代表的な工法はロストワックス法と言われるもので、ロウでつくった型にコーティングを施し、その後ロウを溶かすことによって鋳型を得ます。形状・材質が自由自在な加工方法です。

      • 完全な一体鋳型なため、複雑な形状でも高い寸法精度を確保できる。
      • 形状・材質を問わない自由な工法が可能である。
      • 複数部品の組立や溶接した製品の一体化ができるため、部品点数を削減でき、コストダウンを図れる。
金型鋳造法

鋳鉄や耐熱合金鋼でつくられた鋳型で成型する方法です。砂型鋳造に比べて鋳造時の冷却速度が早く、鋳肌・寸法精度のいい緻密な鋳物製作が可能。自動車用のブレーキ部品、NC旋盤用高速回転シリンダーなど耐圧性、高強度が要求される製品にこの方式が多く用いられています。

      • 砂型鋳造に比べ冷却スピードが早く、緻密で機械的性質に優れた鋳物を製造できる。
      • 金型を用いるため、寸法精度がよい。
      • 金型の製作に費用がかかるため、小ロットの製品よりも大量生産品に向いている
連続鋳造法

材料を溶かして連続的に鋳型に注ぎ、鋳型内で急速冷却して半製品を取り出す鋳造法です。鉄鋼の生産で主に利用され、「連鋳(れんちゅう)」と省略形でも呼ばれている。大量生産に向いており、生産性の向上とコスト削減が期待できる工法でもある。

      • 大量生産に向いている。
      • 生産性が高く、コスト削減が期待できる。
      • 試作品や小ロット製品には向かない。

 

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